輪奈ビロード

金曜日, 10月 13, 2017

和装コート地として人気の「輪奈ビロード」。



天鵞絨(ビロード)の歴史

ビロードは13世紀イタリアが発祥の地で、14世紀頃オスマントルコで皇帝衣装等の高級装束に製織されていました。 日本には1542年、ポルトガルから南蛮貿易により、鉄砲がビロードで包まれて伝来したそうです。  

信長をはじめとする人々が、この珍しい織物に魅了されたと伝えられています。信長が贈与したとされる上杉謙信の牡丹唐草文様のマントが、遺品では最古の物として知られ、今でも上杉神社に残されています。(重文指定)

ビロードが実際に織られたのは、慶安年間(1650年頃)でオランダ貿易によりもたらされたビロードの中に銅線が残っていたものがあったことからヒントをつかみ、輪奈の織り方を工夫研究して製織されました。

長浜でビロードの製織が始まったのは、江戸中期と言われています。徳川末期には、江戸末期には彦根藩より一種の特権である「株」を与えられ、手厚く保護され繁栄 したそうです。そして、現在でもその伝統が受け継がれきわめて稀少価値の高いものであります。

中国では美しい光沢が天鵞の羽根のようだということで天鵞絨(ビロード)の字をあてており、日本では両方の表現が用いられています。

輪奈ビロードとは

組織的には、経糸で織物表面にパイルを出す経パイル織物の一種で、ポルトガル語の「Velludo」が名称の基になっています。



地組織の上にパイル経によってビロード用針金を織り込み、その後針金の上のパイルを切らずに、そのまま針金を抜いてループ状のパイルとしたのが輪奈天です。
※「天」は天鵞絨(ビロード)の略


部分的に切る場合は、針金の上から小刀で真上からループを丁寧に切って、毛羽立たせます。



切った部分は、ふわふわと肌触りが良く、染めた際には輪奈天の部分よりも、染料が浸透し易く濃く染まり、アクセントとなります。

最近では、針金の代わりに、ポリエチレン・モノフィラメントを使用し、ジャガードを用いて紋様に織り上げた後、そのモノフィラメントを手で全部引き抜きます。


伊と幸の輪奈ビロードは、絹100%にこだわり、後染めなので染め上げた後、とてもソフトで軽いのが、最大の特徴です。また、輪奈天が空気を含み温かいので、防寒コートとして好まれます。



総切り輪奈ビロードは、全ての輪奈天(ループ状の部分)を切ったもの。非常に手間がかかっており、その分、とても柔らかく肌触りの良い上質な生地です。画像で肌触りの良さをお伝えできないのが残念です。

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